朽ち果ててもなお美しいもの。

おはようございます。キナルの岩佐です。
こうも残暑が厳しいと食欲が・・・と言いたいところですが、
流行の「食べるラー油」にはまって食欲増進中です。お陰で痩せません。


と、今日も引き続きオーストラリアで出合ったひとコマから。



観光的な写真の登場はサッパリありません。
わたしはこういうのばっかりに目がいくんですよね。
これは古い古い昔からあるカフェ(残念ながら定休日でしたが)の柱です。

おそらく建物はレンガ造り。そしてそれを塗り壁で固めて見てくれをよくした後、
さらにキレイにしようとペンキを塗り、COFFEEの文字を入れ、
でも経年変化でペンキが剥げ、誰かが落書きをして、そこに看板付き、
そして何かがぶつかって塗り壁が割れて中のレンガが露出・・・

もしかしたらこの想像は少し間違ってるかもしれませんが、この柱にすごい歳月を感じます。
カフェのオーナーはこの柱だけでお店の歴史を思い浮かべることができるんじゃないかな。

こういうの、すごく好きです。
手直しを繰り返しながら、それでも壊さずに受け継がれてゆくということ。
物の歴史って案外そうやって、地味な努力の繰り返しなんですよね。

キナルにもそうやって受け継いでいって欲しいものが入荷しています。



倉敷意匠 播州小野 裁鋏 (いぶし)

倉敷意匠 播州小野 裁鋏(みがき藤巻)

倉敷意匠 播州小野 握鋏

昔、明治生まれのおばあちゃんの裁ちバサミを借りると、
ステンレス製のものとは違った「シャキーン」とした鋭い音がしてよく切れるので
なんとなく緊張しながらお裁縫を習った記憶があります。
こんなふうなハサミだったなぁ、と思い出しました。